近年、クマやシカ、イノシシなどの野生動物が人里へ出没し、深刻な被害をもたらすケースが全国で相次いでいます。
なぜ今、このような獣害が相次いでいるのでしょうか?そして、私たちはどう向き合っていけばよいのでしょうか。
本連載では、数理モデルやAIを活用した出没予測の研究をベースに、 全6回にわたって「獣害と人の暮らしの関係」についてわかりやすく解説していきます。
連載全体の構成
第1回:なぜ今、クマやシカの出没が問題なのか?
第2回:動物の行動を「未来予測」するってどういうこと?
第3回:動物の出没を地図とカレンダーで見ると?
第4回:なぜAIは動物の出没を予測できるのか?
第5回:未来を予測して、どう備える?
第6回:未来の共生に向けて:動物も、人も、安心できる社会へ
それでは第1回として、「なぜクマの出没が増えているのか?」を考えていきましょう。 ニュースでよく耳にする「山に餌がないからクマが下りてくる」という説明の背後には、実はもっと大きな社会・環境の変化が関係しています。